はじめに
ハードロック・ヘヴィメタルでよく使われる言葉で「様式美」というものがあります。
かっこいいギターリフで始まって、速弾きギターソロがあって…。あとは、クラシックの影響を受けた旋律があったり、ツインギターまたはギターとキーボードでハモらせたり…。要するに、「これが1番かっこいいんだ!」っていうスタイルです。
その「様式美」の完成形の1つがこの曲ではないでしょうか。
曲の魅力
DEEP PURPLEの「Burn」は、1974年にリリースされたアルバム『Burn』のタイトル曲であり、新たなメンバー構成(第3期 DEEP PURPLE)を迎えてのパワフルな幕開けとなった楽曲です。リッチー・ブラックモアのクラシック音楽への造詣と、ジョン・ロードの音楽的素養が融合し、単なるロックンロールとは一線を画す、スケールの大きな構成美があります。
まず、「Burn」の冒頭を飾るギターリフは、ハードロックの名リフとして非常に有名です。スピード感と切れ味があり、クラシック音楽のスケール感も感じさせる独特の構成で、聴いた瞬間に「これはただ者じゃない」と分かるインパクトがあります。
また、イアン・ペイスのドラムはタイトかつ華やかで、リズムの要として楽曲全体をグイグイと牽引します。ジョン・ロードのキーボード(ハモンドオルガン)もギターに負けない主張を見せ、ギターとオルガンの掛け合いはDEEP PURPLEならではの魅力です。
そして、この曲から加入したデイヴィッド・カヴァデールとグレン・ヒューズのツインボーカルが最大の新機軸。重厚なカヴァデールのリードに、ソウルフルなヒューズが絡み合い、より多層的で躍動感のあるサウンドを生み出しています。
最後に
「Burn」は、DEEP PURPLEの音楽性の進化とメンバーチェンジ後の新たなスタートを象徴する曲。
ハードロックの王道ながら、技巧的で色彩豊か、そして熱量が高い。まさに“燃える”ような名曲です。
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