はじめに
90年代に人気を博したアメリカのインダストリアル/グルーヴメタルWHITE ZOMBIE。
彼らにとって最大のヒット作となったアルバムが1995年リリースの『Astro-Creep: 2000』です。
重厚かつ未来的な音像とホラー的センスがピークに達した作品ですが、その1曲目が今回紹介する「Electric Head, Part 1 (The Agony)」です。
曲の魅力
この曲は、ヘヴィなギターリフと機械的なビート、そして電子音が混ざり合ったインダストリアルメタルとグルーヴメタルの折衷サウンドが特徴です。ダウンチューニングされたザクザクしたギターが作るリフは非常に中毒性があり、反復されることで催眠的なトランス感覚を生み出しています。
また、WHITE ZOMBIEの楽曲全体に通じることですが、この曲もまた映画のセリフや奇妙なサンプリングが多用されており、ロブ・ゾンビらしいB級ホラーやサイケデリックな世界観を強調しています。「Electric Head」のタイトルどおり、“電気仕掛けの狂気”を思わせるような電気的ノイズ、サイバーな効果音が楽曲を彩り、まるで映像作品の一部を聴いているような没入感があります。
ロブ・ゾンビのしゃがれたハスキーヴォイスと独特の語り口もこの曲の大きな魅力。歌というより呪文やナレーションのように展開されるヴォーカルスタイルが、リズムの波に乗って重厚に響きます。また、PVやライブ演出を含め、ロブ・ゾンビが描くサイコホラー/レトロSF的な美意識が曲の世界観と強くリンクしており、聴覚と視覚の両面から訴えかけてくる点もWHITE ZOMBIEの大きな特徴です。
最後に
アルバム『Astro-Creep: 2000』には、この曲と対になっている曲「Electric Head, Part 2 (The Ecstasy)」も収録されています。
こちらも、いずれ紹介したいと思います。
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