アルバムレビュー

【アルバムレビュー】AUSTERE – The Stillness Of Dissolution

アルバムレビュー
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はじめに

2023年に『Corrosion of Hearts』で復活して以降、毎年アルバムを発表しているオーストラリアのブラックメタルプロジェクトAUSTERE。

今年も新アルバムがリリースされたのでゲットしました。

今回も素晴らしいアルバムで大満足の出来です!

AUSTEREについて

AUSTERE(オースティア)は、オーストラリアのデプレッシヴ/アトモスフェリック・ブラックメタルプロジェクトです。

典型的なノルウェイ系ブラックメタル、デプレッシヴ派の雰囲気を基盤にしつつ、ブラックゲイズ的なメロディック要素と感情性を融合したサウンドが特徴です。

密やかなギター・レイヤー、高音のスクリームとデプレッシブなクリーン・ヴォーカルの対比、「静→激」の展開でドラマを構築しています。

『The Stillness Of Dissolution』について

「The Stillness of Dissolution」は、AUSTEREによる5作目のスタジオアルバムで、2025年6月6日に Prophecy Productions からリリースされました。

「時間の深淵」や「混沌から秩序への回帰」をテーマにしているとのこと。詩的には「生じるものはすべて滅びる価値がある」と表現され、闇と光の内的対峙を描いています。

トラックリスト

1. Dissolved Exile

leoleo
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孤独な荒野を歩くような静謐と焦燥の幕開け。
フォーク的旋律が悲嘆の空気を切り裂く。

2. Time Awry

leoleo
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時間がすり抜ける感覚を表現した、アルバム中最もドラマチックな楽曲。
希望と喪失が交差するエモーショナルなハイライト。

3. Redolent Foulness

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腐敗した記憶のように、鈍く重いサウンドが忍び寄る。
スクリームとクリーンの交錯が内面の狂気を引き出す。

4. The Downfall

leoleo
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タイトル通り、崩壊の瞬間をスロウに描いた葬送曲。
無力感がギターに染みつき、時間が止まったような感覚に。

5. Rusted Veins

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錆びた血管を通るように、痛みと怒りがうねる。
リフが異様にキャッチーで、儚さと攻撃性が両立している。

6. Storm Within My Heart

leoleo
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9分超の大曲。嵐のように感情が渦巻き、最後に静寂へと収束する。
感情の終着点を静かに提示する、圧巻のクロージング。

感想

ブラボー。実にブラボー。

6曲全てが明確な意図を持って設計されている感じで、アルバムとしての完成度が高いです。

音楽的には、DSBMの要素を残しつつもポストブラック/ブラックゲイズに深化していますね。過去2作と比べても聴きやすいと思います。

暗く、美しく、重厚で、深遠な音世界に浸れる6曲を通して、黒の中に宿る静寂と崩壊を感じることができます。

自身のスタイルを進化させつつ新たな地平を切り開いた傑作と言えるでしょう。

最後に

コンスタントに傑作アルバムを残してくれてありがとうと言いたいです。

来年も期待して良いのかな?

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The Stillness of Dissolution

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