はじめに
ブラックメタルといえばまずノルウェーのイメージが強いですが、スウェーデンはまた別の役割・立ち位置を担ってきました。
ノルウェーの初期ブラックメタル(Mayhem、Darkthrone、Burzum等)は原始的・プリミティブ・ローファイで「冷たいノイズの壁」のようなサウンドが特徴ですが、スウェーデン勢は叙情的・構築的なリフワークや、より整った演奏・プロダクションを好む傾向がありました。特にメロディック・ブラックメタルの発展においては、スウェーデンが中心的な役割を担いました。
そんなスウェーデンのブラックメタルを代表するバンドがDISSECTIONです。
彼らの1stアルバム『The Somberlain』はメロディック・ブラックメタルの元祖ともいえる作品なのですが、その表題曲を今回紹介します。
曲の魅力
DISSECTIONの「The Somberlain」は、1993年にリリースされたアルバム『The Somberlain』の表題曲であり、彼らの象徴的な楽曲のひとつです。
その魅力として、まず「メロディックなリフワーク」が挙げられるでしょう。
北欧特有の叙情的なメロディをギターリフに織り込み、冷たい空気感を出しながらも強い旋律美を持っています。トレモロリフが主体ですが、ただの反復ではなく「物悲しい旋律」がしっかりと聴き取れます。
また、ブラックメタルの冷徹さとデスメタルの重厚感を兼ね備えたサウンドも良いですね。疾走だけでなく、落ち着いたテンポでリフを強調するパートがあり、楽曲にダイナミクスをもたらしています。
ただ攻撃的なだけでなく、凍てついた美しさを湛えているのがDissectionの真骨頂。この曲はそのエッセンスを凝縮した代表格です。
最後に
「The Somberlain」は冷たさと叙情美、死と闇のロマンを兼ね備えた、Dissectionの核となる楽曲です。
美しい旋律と攻撃性が一体化したサウンドは、初めて聴いた人でも強烈な印象を残すことでしょう。
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