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【ライオンズ情報】2025年の西武投手陣を振り返る

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先発陣

まずは、先発陣を見ていこう。投球イニング数に応じて、3つのグループに分けて見ていく。

100イニング以上

100イニング以上と、1年通してローテーションを守ったピッチャーは以下の4名。

※赤字はリーグトップの数字。

選手名防御率登板完投完封QS勝利敗戦勝率投球回奪三振被打率K/BBWHIP
今井 達也1.92245316105.667163.2178.1763.960.89
隅田 知一郎2.592331171010.500159.2149.2364.381.10
髙橋 光成3.0424001589.47114888.2512.151.23
渡邉 勇太朗2.6923111379.43813481.2462.131.23

今井達也は、防御率1.92はリーグでもトップクラスの数字で、まさにエースの貫禄を見せつけたシーズンだった。24登板で5完投3完封、16QSと安定感は抜群。勝利数こそ10にとどまったが、被打率.176・WHIP0.89という圧倒的な内容が示すように、試合を支配する力は群を抜いていた。

隅田知一郎は、防御率2.59・17QSと安定した投球を見せたが、10勝10敗と勝ち星には恵まれなかった。打線の援護に泣かされた試合も多かったが、WHIP1.10・K/BB4.38と数字面では非常に優秀で、四球の少なさと制球力が光った。左のエースとしてローテを支え続けた1年だったといえる。

髙橋光成は、勝ち星が伸びず8勝9敗に終わったが、昨年の0勝11敗からは持ち直した。15QSと先発の役割は果たしており、イニングイーターとしての存在感は健在。ただし奪三振率の低下(5.35)や被打率.251が示すように、かつてのエースの投球ではなかった。

渡邉勇太朗は、防御率2.69と安定感を示したシーズンだった。13QSを記録し、試合を壊さない投球でチームに貢献したが、7勝9敗とこちらも援護に恵まれなかった。K/BB2.13・WHIP1.23と課題は残るが、先発ローテを1年完走した経験は大きく、来季さらなる成長が期待される。

50イニング以上100イニング未満

次は、50イニング以上100イニング未満と、ローテーションの谷間だったり怪我での離脱があった投手だ。該当するのは、以下の3名。

選手名防御率登板完投完封QS勝利敗戦勝率投球回奪三振被打率K/BBWHIP
與座 海人2.501610965.54593.244.2172.750.96
武内 夏暉5.261200545.44463.146.2822.421.41
菅井 信也3.581100255.50055.147.2501.621.45

與座海人は、与四球の少なさとテンポの良さで安定した投球を続け、防御率2.50・WHIP0.96の好成績。16登板で9QS、6勝5敗とローテの中堅として十分な役割を果たしたと言える。奪三振こそ少ないものの(44個)、被打率.217が示すように打たせて取るスタイルが完全に板についた印象だ。

昨年の新人王・武内夏暉は、怪我の影響もあってか防御率5.26と課題の残る内容に。あらゆる指標で昨年の数字を下回る、悔しいシーズンになった。来年はコンディションをしっかり整えて、巻き返しのシーズンになることを期待したい。

菅井信也は、5勝5敗と一定の成績を残した。K/BB1.62・WHIP1.45と制球面の課題は残るものの、スタミナと制球を磨けば先発陣の一角として定着が期待できる。

50イニング未満

最後に、50イニング未満の先発投手だ。該当するのは、以下の4名。

選手名防御率登板完投完封QS勝利敗戦勝率投球回奪三振被打率K/BBWHIP
上田 大河6.75400002.000206.3661.001.80
松本 航6.43300002.0001412.2592.401.36
篠原 響10.29200001.00078.4414.002.43
杉山 遙希18.00100001.00042.4782.003.00

上田大河篠原響杉山遥希の「期待の若手」3名は、いずれもプロ初勝利を上げることができなかった。それでも、篠原が球威のあるストレートでイニング数を上回る奪三振を記録するなど、来年以降に期待できる要素があった。

問題は、今季7年目28歳の松本航だ。「ストレートのキレ」以外にこれといった武器がなく、その「ストレートのキレ」も年々落ちている。ストレートを磨き直すなり、新しい球種を覚えて投球の幅を広げるなりしないと、来季以降も厳しいと言わざるを得ない。

リリーフ陣

先発の次はリリーフ陣を見ていく。こちらも、登板数に応じて3グループに分けた。

40試合以上

リリーフで40試合以上に登板した投手は以下の4名。いわゆる「勝ちパターン」が並んでいる。

選手名防御率登板勝利敗戦ホールドセーブ投球回奪三振被打率K/BBWHIP
平良 海馬1.71544283152.253.2262.521.22
山田 陽翔2.08493317147.231.2611.821.32
ウィンゲンター1.74491431046.269.1653.450.99
甲斐野 央2.47472333043.236.2212.001.19

平良海馬は、54登板で31セーブ・防御率1.71と、守護神としてチームの勝利を締め続けた1年だった。WHIP1.22が気になるが、被打率.226とピンチにも動じない投球を披露。見事、セーブ王のタイトルに輝いた。

3年目21歳の山田陽翔は、49試合登板・防御率2.08と大きな成長を見せた。ホールドも17と中継ぎの要として機能し、勝ちパターンの一角を担うまでに。ただ、8月以降は打ち込まれる場面が目立ち、来年に不安を残す。自慢のフォークを活かすためにも、まずはストレートを磨いてほしいところ。

新外国人のウィンゲンターは、期待に応えて49登板で防御率1.74・WHIP0.99という抜群の安定感を見せた。被打率.165はチーム随一で、31ホールドを記録して勝利の方程式を支えた立役者。奪三振率も高く(13.31)、セットアッパーとしての完成度はリーグでもトップクラスと言えるだろう。課題があるとしたらクイックだが、変に意識して投球を崩されるのも困るので、少しずつ改善していってほしい。

移籍2年目の甲斐野央は、47登板・防御率2.47・33ホールドという成績を残し、右の中継ぎとして勝ちパターンに定着した。たまに大炎上することもあったが、シーズン通してみれば安定していたと言える。

20試合以上40試合未満

次は、20試合以上40試合未満の登板だった6名だ。

選手名防御率登板勝利敗戦ホールドセーブ投球回奪三振被打率K/BBWHIP
黒木 優太3.3829113029.125.2291.921.26
E.ラミレス1.0127107026.228.1762.331.05
羽田 慎之介2.9524112021.125.2531.791.59
佐藤 隼輔6.4120026019.213.3001.301.73
田村 伊知郎3.5820011027.220.2522.861.19
中村 祐太1.042002002623.2312.561.15

戦力外から育成契約を経て支配下登録を勝ち取った黒木優太は、主にビハインドの場面で投げて29登板・防御率3.38の数字だった。被打率.229は優秀だが、K/BBとWHIPを見る限り制球面に課題あり。

E.ラミレスは、怪我での離脱があったものの、27登板で防御率1.01と1年目から結果を残した。奪三振率(9.45)・被打率・WHIPも優秀で、来年は勝ちパターンでの起用が期待される。

日本人左腕では歴代最速となる160キロを記録した羽田慎之介は、終盤に離脱したものの24登板で防御率2.95と結果を残した。制球や安定感に課題はあるが、奪三振率10.55という数字を見てもポテンシャルはずば抜けて高い。来季の起用法は不明だが、シーズン通しての活躍を期待したい。

今年も左のリリーフとして期待された佐藤隼輔は、20登板・防御率6.41と厳しい結果に。球威・制球ともに昨年から落ちていたが、来年はどうなるか。巻き返しに期待したい。

田村伊知郎は、ロングリリーフを中心に20登板・防御率3.58という数字。なんだかんだで、いると助かる投手。

現役ドラフトでの移籍から2年目の中村祐太は、7月に一軍に上がってから20登板で防御率1.04という好成績。黒木や田村と共に、ビハインドやロングリリーフでリリーフ陣を支えてくれた。

20試合未満

最後は、登板が20試合未満の8投手。

選手名防御率登板勝利敗戦ホールドセーブ投球回奪三振被打率K/BBWHIP
浜屋 将太4.501600001412.2601.201.64
佐々木 健5.0215031014.18.2552.001.19
糸川 亮太2.8913010018.217.1758.500.70
黒田 将矢5.688000012.213.3081.861.82
水上 由伸0.00500005.23.3501.501.59
ボー・タカハシ10.804000054.5004.002.60
豆田 泰志0.003000046.3131.25
青山 美夏人13.502000020.3330.002.50

不調の佐藤隼輔に代わる左のリリーフとして期待された浜屋将太佐々木健だったが、防御率がそれぞれ4.50、5.02と共に厳しい数字に。佐々木は戦力外になってしまった。

2年目27歳の糸川亮太は、シンカーを武器に13登板・防御率2.89と結果を残した。被打率・K/BB・WHIPも優秀で、来季はどこまで出番を増やせるか注目。

4年目21歳の黒田将矢は、防御率は5.68と良くなかったが、イニング数を上回る奪三振を記録したようにポテンシャルは高い。来季は、安定感を身につけて一軍定着といきたい。

2022年の新人王・水上由伸は年々球速が落ちており、防御率0.00ながら5試合の登板に終わった。被打率が.350と酷く、これ以上は厳しいと判断されたのか戦力外になってしまった。

終盤に一軍昇格した豆田泰志は、3登板・防御率0.00でシーズンを終えた。良かった頃のストレートが戻っており、この調子を来年も維持してほしい。

ボー・タカハシ青山美夏人は、共に防御率が10点オーバーと酷い数字。3年目25歳の青山はともかく、ボー・タカハシの来季契約はどうなるだろうか。

一軍登板なし

今季、一軍での登板がなかった投手は以下の通り。

  • 平井克典(9年目33歳)
  • 成田晴風(2年目19歳)
  • 狩生聖真(1年目18歳)
  • 大曲錬(5年目27歳)※育成選手
  • ロペス(2年目26歳)※育成選手
  • 宮澤太成(2年目26歳)※育成選手
  • 井上広輝(6年目24歳)※育成選手
  • 三浦大輝(3年目25歳)※育成選手
  • 冨士大和(1年目19歳)※育成選手
  • シンクレア(2年目24歳)※育成選手
  • 森脇亮介(7年目33歳)※育成選手
  • 川下将勲(2年目20歳)※育成選手
  • 木瀬翔太(2年目20歳)※育成選手
  • 佐藤爽(1年目22歳)※育成選手

このうち、平井克典大曲錬井上広輝の3名が戦力外になった(2025/10/15現在)。

最後に

今季の先発ローテーションを支えた今井達也髙橋光成が同時にポスティングで流出する可能性があり、その場合来年どうするかを考えなければならない。隅田知一郎渡邉勇太朗が今季以上の数字を残した上で、武内夏暉の復活と若手の台頭がなければ厳しい戦いになるだろう。平良海馬が先発に戻るという話もあるが、それだと今度は抑えが空白になる。編成部門は頭が痛いだろうが、適切な補強をお願いしたい。

コメント

  1. 摸币网 より:

    时间真快,一年又快结束了,啥也不说了,祝你幸福吧!