野球コラム

【野球コラム】セーブとホールドを0.5勝扱いにしたら200勝投手はどれだけ増える?

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はじめに

2025年9月30日、巨人の田中将大が日米通算200勝を達成した。2000年以降の投手としては12人目の名球会入り(特例の上原浩治藤川球児を含む)となったわけだが、同じ2000年以降に野手が34人名球会入りしていることを考えると、明らかに投手の入会者が少ない。

200勝または250セーブという条件のハードルの高さもあるが、現役の途中で役割が変わると達成がまず不可能というのも大きのではないだろうか。例えば、大野豊のように先発と抑えの両方で活躍して100勝100セーブを達成しても、名球会の条件には届かない。また、現状では中継ぎでどんなに突出した成績を残し続けても、200勝または250セーブは無理だろう(勝ち運があれば、中継ぎで200勝も不可能ではないが…)。

つまり、投手の名球会会員を増やしたければ、先発・中継ぎ・抑えの記録を合算した数字を入会条件にする必要がある。そこで、セーブとホールドを0.5勝扱いにしたらどうだろうか?これで、200勝投手がどれだけ増えるか調べてみたい。

現状の200勝投手

まずは、2025年シーズン終了時点での200勝投手をまとめてみる(日米通算での達成を含む)。

順位投手勝利数備考
金田正一400
米田哲也350
小山正明320
鈴木啓示317
別所毅彦310
スタルヒン303
山田久志284
稲尾和久276
梶本隆夫254
10東尾修251
11野口二郎237
11若林忠志237
13工藤公康224
14村山 実222
15皆川睦雄221
16山本 昌219
17杉下 茂215
17村田兆治215
19北別府学213
20中尾碩志209
21ダルビッシュ有208※日米通算
※現役
22江夏豊206
23堀内恒夫203
23黒田博樹203※日米通算
25平松政次201
25野茂英雄201※日米通算
27藤本英雄200
27田中将大200※日米通算
※現役

田中将大(巨人)で28人目の200勝投手となる。浅村栄斗(楽天)が今年2000本安打を達成したが、こちらは61人目(日米通算を含む)なので、200勝投手は数では2000本安打の半分に満たないことが分かる。

セーブとホールドを0.5勝扱いした場合の勝利数

通算150勝以上200勝未満の投手

投手勝利数セーブ数ホールド数合算値備考
長谷川良平19700197
秋山登19300193
松岡弘191410211.5
石井茂雄18930190.5
川崎徳次18800188
石川雅規18804190※現役
杉浦忠18700187
足立光宏18730188.5
小野正一18400184
石井一久18214184.5※日米通算
西口文也18263186.5
斎藤雅樹180110185.5
真田重蔵17800178
星野伸之17620177
成田文男17580179
荒巻淳17300173
桑田真澄173143181.5※日米通算
三浦大輔17200172
松坂大輔17013172※日米通算
岩隈久志17020171※日米通算
岸孝之17010170.5※現役
高橋直樹169130175.5
高橋一三167120173
坂井勝二16610166.5
涌井秀章1663716192.5※現役
西本聖165170173.5
佐藤義則165480189
和田毅16503166.5※日米通算
前田健太16569172.5※日米通算
※現役
土橋正幸16200162
槙原寛己159560187

ヤクルトのエースとして活躍した松岡弘が合算値211.5で200勝超え。セーブやホールドが記録として存在しない時代の投手が多いこともあり、この中で合算値200を超えたのは松岡だけだった。

現役だと、涌井秀章(中日)が合算値192.5で残り7.5勝に迫っている。ここ数年は年平均4勝を上げているので、あと2年で200勝に到達することが期待されるがどうだろうか。また、石川雅規(ヤクルト)も合算値190で、200勝まで残り10勝となっている。

通算100勝100セーブを達成した投手

※通算200勝以上の江夏豊は除外。

投手勝利数セーブ数ホールド数合算値備考
大野豊1481380217
斉藤明夫1281330194.5
山本和行1161300181
郭源治1061160164
佐々岡真司1381065193.5
斎藤隆11213953208※日米通算
上原浩治134128104250※日米通算

大野豊斎藤隆上原浩治の3投手が、新たに合算値での200勝に到達した。やはり、ホールドの記録がない時代の投手が不利になっている印象。

通算150セーブ以上の投手

※通算200勝以上の江夏豊は除外。

投手勝利数セーブ数ホールド数合算値備考
岩瀬仁紀5940782303.5
佐々木主浩493811240※日米通算
高津臣吾4431316208.5※日米通算
平野佳寿65258204296※日米通算
※現役
益田直也34248174245※現役
藤川球児61245164265.5※日米通算
松井裕樹3223788194.5※日米通算
※現役
小林雅英402346160※日米通算
サファテ2723448168
山崎康晃2223294185※現役
R.マルティネス1721245145.5※現役
増田達至31194109182.5
馬原孝浩2318247137.5
M.クルーン1417719112
大塚晶文2717674152※日米通算
武田久31167107168
永川勝浩3816579160
増井浩俊41163158201.5
豊田清6615781185

岩瀬仁紀佐々木主浩高津臣吾平野佳寿(オリックス)、益田直也(ロッテ)、藤川球児増井浩俊の7名が合算での200勝に到達した。また、松井裕樹(パドレス)が残り5.5勝、山崎康晃(横浜)が残り15勝に迫っており、数年以内での200勝到達が期待される。

通算150ホールド以上の投手

※通算150セーブ以上の平野佳寿益田直也藤川球児の3名は除外。

投手勝利数セーブ数ホールド数合算値備考
宮西尚生3813424256.5※現役
山口鉄也5229273203
浅尾拓也3823200149.5
S.マシソン2754174141
又吉克樹4711173139※現役
五十嵐亮太7070167188.5
高梨雄平15416398.5※現役
青山浩二4245159144
岩崎優36120157174.5※現役
谷元圭介287154108.5
清水昇9415387.5※現役

宮西尚生(日本ハム)と山口鉄也の2名が合算値での200勝超え。現役だと、岩崎優(阪神)が残り25.5勝となっており、順調にいけばあと2年での達成が期待できる。

その他

上記以外にも、120勝80セーブ80ホールドみたいな形で合算値200超えがいないか探したが、自分が調べた範囲ではみつけることができなかった。

まとめ

セーブとホールドを0.5勝扱いした場合、新たに200勝投手に加わるのは以下の13投手。

投手勝利数セーブ数ホールド数合算値備考
松岡弘191410211.5
大野豊1481380217
斎藤隆11213953208※日米通算
上原浩治134128104250※日米通算
岩瀬仁紀5940782303.5
佐々木主浩493811240※日米通算
高津臣吾4431316208.5※日米通算
平野佳寿65258204296※日米通算
※現役
益田直也34248174245※現役
藤川球児61245164265.5※日米通算
増井浩俊41163158201.5
宮西尚生3813424256.5※現役
山口鉄也5229273203

最後に

割りとありなんじゃないかな?というのがここまで調べた感想だ。これで200勝が28人から41人に増え、2000本安打の61人と比べてもバランスが良くなる。

問題があるとしたら、セーブやホールドの記録がない時代と導入されて以降の投手で差が付いてしまう点だ。また、近年の起用法だとシーズン15勝より30ホールドや30セーブの方が出やすく、先発投手よりリリーフ投手の方が有利になってしまう点も気になる。平等に評価するためには、セイバーメトリクスの指標を使ったほうが良いのかもしれない。

まあ、これはあくまでも「遊び」なので、今回はこの辺にしておこう。

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