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【この曲を聴こう!】ESKAPI – Vargar & får

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はじめに

ブラックメタル界に絶大な影響を残したLIFELOVER。

そのLIFELOVERのメンバーが結成したブラックメタルプロジェクトがESKAPIなのですが、現時点では唯一となるアルバム『Valkommen till (O)verkligheten』はブラックメタルにラップを取り入れるという攻めた1枚でした。

その『Valkommen till (O)verkligheten』から1曲紹介したいと思います。

曲の魅力

「Vargar & Får」はスウェーデンのプロジェクトESKAPIの楽曲で、ジャンル的にはデプレッシブ・ブラック・メタルに位置づけられます。

その魅力は何と言ってもその雰囲気・空気感でしょう。

楽曲全体に漂う静けさ、暗さ、もの悲しさ。音の余白や沈黙を活かした構成が緊張感や内省を呼び起こします。メロディックな要素とブラックメタル的な荒々しさのバランスが取れていて、ただ過激というよりも感情の揺れ動きを感じさせます。

また、ギターやアンビエントなシンセ、あるいはリバーブ/ディレイなど空間系エフェクトが効果的に使われていて、楽曲に“深さ”と“広がり”を感じさせます。リズムやドラムは抑制された部分が多く、聴き手の心拍や呼吸と同期するような、手持ち無沙汰な重みを持たせているところが魅力です。

そして、ボーカルも “囁き” や “呻き”、“叫び” のような表現を交えており、聴く側をただ聞かせるだけでなく感覚で引き込む力があります。これはデプレッシブ系音楽の特徴であり、ESKAPIはその中でも “静と動” のコントラストをうまく使っていると思います。

最後に

ブラックメタルというジャンルは細分化が進んでますが、ESKAPIはデプレッシヴ・スーサイダル・ブラックメタル(DSBM)の延長線上にありつつ独自の進化を遂げました。

これがブラックメタル?という声もあるかもしれませんが、その感想はある意味で正しいです。

しかし、ブラックメタルは「トレモロリフ+スクリーム+ブラストビート」という定型はありますが、そこから外れることには意外と寛容なんですよね。

制約があるようで、実は「闇をどう表現するか」において極めて自由なのがブラックメタルの魅力だと思います。

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Välkommen till (O?)?Verkligheten

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