はじめに
前から注目していたAMORPHISのニューアルバムがついにリリースされました!
安定した出来で満足です!
AMORPHISについて
AMORPHIS(アモルフィス)は1990年にフィンランドで結成されたヘヴィメタル・バンドで、デスメタルを基盤にしつつも北欧の伝承やカレワラ神話に根差した叙情性を取り込み、独自のメロディックでプログレッシヴなサウンドを築き上げてきました。初期はエクストリーム色の濃い作品で注目を集め、中期以降はフォークやプログレの要素を大胆に融合し、クリーンヴォーカルとグロウルを自在に使い分けるスタイルで幅広いリスナーを獲得。重厚さと美しさを兼ね備えた楽曲群は唯一無二で、北欧メタルの象徴的存在として世界中で支持されています。
『Borderland』について
2025年リリースの『Borderland』は、フィンランドの至宝AMORPHISにとって15枚目のスタジオ・アルバムであり、長年タッグを組んできたイェンス・ボグレンから離れ、デンマークのヤコブ・ハンセンをプロデューサーに迎えた意欲作です。荘厳なメロディと重厚なリフ、フォーク的叙情とプログレッシヴな展開を巧みに融合しながら、よりオーガニックでキャッチーな仕上がりとなっており、キャリアの成熟と新たな挑戦が同居した一枚といえます。アルバム冒頭の「The Circle」からラストを飾る「Despair」まで、陰影豊かな楽曲が並び、バンドの“らしさ”を継承しつつも新たな境界線=Borderlandを切り拓いた作品です。
トラックリスト
1. The Circle

壮大な幕開けで世界観を一気に提示。
リフとメロディのバランスが抜群。
2. Bones

重量級のリフと叙情美の融合。
アルバム屈指のハイライト。
3. Dancing Shadow

躍動的でライヴ映えしそうな一曲。
キャッチーなサビが強烈に残る。
4. Fog To Fog

幻想的な雰囲気で小休止の役割。
キーボードが夢幻感を演出。
5. The Strange

渋めでダークな色合いを持つ。
隠れたスパイス的存在。
6. Tempest

ミドルテンポで重厚に迫る曲。
じわじわと嵐の気配を感じさせるドラマ性が光る。
7. Light And Shadow

ピアノの導入が美しい。
陰と陽のコントラストが鮮やか。
8. The Lantern

フォーク風の叙情が耳に残る。
古き良きAMORPHISらしさを体現。
9. Borderland

アルバムの核を担う堂々たる一曲。
クリーンとグロウルの対比が映える。
10. Despair

締めにふさわしい深い陰影。
余韻を長く残すラストトラック。
11. Weavers ※ボーナストラック

ボーナストラックはヘヴィなナンバー。
ギターが目立つ作風でアルバムの中では異質。
感想
良くも悪くも、いつものAMORPHISです。ファンなら間違いなく満足できると思います。
叙情性、フォーク的な要素、ヘヴィなギターとクリアな音像など、これまでの彼らの特徴は本作にもきちんと継承されており、ファンとしては安心して聴くことができます。その上で、これまでのAMORPHISの強みであるメロディ性を前面に押し出している印象です。そういう意味では、過去の作品と比べても聴きやすいのではないでしょうか。
ただ、楽曲がちょっと弱いかなとは思いました。「Bones」とか「Light And Shadow」なんかは印象的だったのですが、一方で「定番的、既視感の強い展開」が目立ったり、似たようなトーンに感じられてしまってイマイチ印象に残らない曲もありました。アルバムとしての統一感を重視したのが裏目に出たかな?
100点満点で点数を付けるなら80~85点ぐらいでしょうか。
最後に
コンスタントに素晴らしいアルバムをリリースしてくれるのは、ファンとしては大変ありがたいです。次回作も楽しみですね。
あとは、やはり来日公演に期待です。「Bones」を生で聴きたい!
PR![]() |

コメント