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【野球コラム】通算で「出塁率>長打率」の打者

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はじめに

打者を評価する指標はいくつもあるが、OPS(出塁率+長打率)が普及してから出塁率長打率を目にすることが増えた気がする。両者を比較すると、出塁率が3割台であることが多いのに対して長打率は4割を超えることも珍しくなく、長打率の方が高くなる傾向がある。実際、2025年に規定打席に到達した選手は両リーグ合わせて40人いるが、そのうち38人が「長打率>出塁率」であった。「出塁率>長打率」だったのは阪神の中野拓夢(出塁率.339、長打率.328)とソフトバンクの柳町達(出塁率.384、長打率.376)の2人だけである。

そこで気になったのだが、通算記録で出塁率の方が長打率より高い打者はどれだけいるのだろうか。通算1000本安打以上を対象に調べてみた。

通算で「出塁率>長打率」の打者

白石勝巳 出塁率.358 長打率.355

白石 勝巳(広島カープ) | 個人年度別成績
日本野球機構(NPB)オフィシャルサイト。プロ野球12球団の試合日程・結果や予告先発、ドラフト会議をはじめ、事業・振興に関する情報を掲載。また、オールスター・ゲームや日本シリーズなど主催試合のチケット情報もご覧いただけます。

白石勝巳は、プロ野球黎明期から巨人のショートとして活躍した名手だ。特に、三遊間のゴロで見せる逆シングルは絶品だったとか。ボールが飛ばない時代が長かったため長打は少なかったが、四球を多く選んでおり出塁率の方が高くなった。飛ぶボール(通称ラビットボール)が導入されたキャリア終盤は長打率を上げていることから、時代が悪かったと言える。

呉昌征 出塁率.379 長打率.351

呉 昌征(毎日オリオンズ) | 個人年度別成績
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白石と共に1リーグ時代の巨人で活躍したのが、台湾出身の呉昌征だ。1943年には.300で首位打者を獲得、出塁率も.457でMVPに輝いた。また、阪神移籍後の1946年にはノーヒットノーランを達成するなど投手としても活躍、通算で15勝を上げた。白石と同じく、飛ばないボールの時代が長かった影響で出塁率の方が高くなった。

大沢清 出塁率.358 長打率.351

大沢 伸夫(広島カープ) | 個人年度別成績
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大沢清も1リーグ時代から活躍した選手の1人だ。1リーグ時代は中日と東急、2リーグ制移行後は大洋や広島でプレーした。また、投手としても通算5勝を記録している。こちらも、飛ばないボールの影響が大きかったと思われる。ちなみに、同じくプロ野球選手だった「親分」こと大沢啓二は実の弟である。

大島公一 出塁率.360 長打率.332

大島 公一(東北楽天ゴールデンイーグルス) | 個人年度別成績
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時代は一気に飛んで、90年代後半から00年代前半のオリックスを支えた大島公一が登場。シーズン本塁打は1桁ばっかだが、四球は毎年のように50個以上選んでいた。特に、2000年は1本塁打ながら90四球であり、出塁率が.418と長打率の.340を大幅に超えていた。

井端弘和 出塁率.35227 長打率.35220

井端 弘和(読売ジャイアンツ) | 個人年度別成績
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00年代の中日で不動のショートを務めた井端弘和だったが、通算記録ではギリギリ出塁率が長打率を上回っている。全盛期では長打率の方が高いシーズンが多かったが、晩年に長打率が一気に落ちて出塁率が逆転した。

赤星憲広 出塁率.365 長打率.340

赤星 憲広(阪神タイガース) | 個人年度別成績
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「出塁率>長打率」と聞いて真っ先に思いついたのが赤星憲広だった。実働9年間で381盗塁というスピードスターだったが、四球も多く3割後半の出塁率をコンスタントに記録していた。通算本塁打が僅か3本ということを考えると、通算出塁率.365は立派と言うしかない。

中村悠平 出塁率.323 長打率.315 ※2025年終了時点

中村 悠平(東京ヤクルトスワローズ) | 個人年度別成績
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現役では、ヤクルトを支える名捕手・中村悠平が登場。年度別成績を見ると、出塁率も長打率も同じぐらいの年が多い印象。ただ、ここ数年は出塁率が3割ちょっとなのに対して長打率が2割台というのが続いており、引退まで出塁率の方が上になりそうだ。

中村晃 出塁率.3595 長打率.3589 ※2025年終了時点

中村 晃(福岡ソフトバンクホークス) | 個人年度別成績
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こちらもまだまだ元気、ソフトバンクの中村晃だ。出塁率が上の年があったり長打率が上の年があったりして何とも言えないが、現時点での通算では出塁率が僅かに上回っている。今後次第でどうにでもなるため、引退時にどうなるかを予想するのは難しい。

参考

大島洋平 出塁率.345 長打率.354 ※2025年終了時点

大島 洋平(中日ドラゴンズ) | 個人年度別成績
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中日の俊足巧打の外野手として活躍し、2023年に通算2000本安打も達成した大島洋平。現時点では長打率の方が上だが、今後次第では出塁率が逆転する可能性もある。

西川遥輝 出塁率.372 長打率.374 ※2025年終了時点

西川 遥輝(東京ヤクルトスワローズ) | 個人年度別成績
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古巣日本ハムへの復帰が決まった西川遥輝だが、こちらも現時点では長打率が出塁率を上回っている。ただ、昨年まで7年連続で出塁率の方が上となっており、この傾向が続けば出塁率が逆転する日も近い。

雑感

白石勝巳呉昌征大沢清のように飛ばないボールの時代が長がった選手に関しては、「出塁率>長打率」という結果になるのも納得だ。いずれの選手もラビットボール導入後に長打率をアップさせていることから、ボールの影響が大きかったのは間違いないだろう。

90年代以降の選手についてはどうだろうか。

大島公一赤星憲広の2人は非力ながら四球を選んで出塁率を上げたタイプだ。勝負を避けた四球はまずないと思われ、選球眼に優れていたと考えられる。

井端弘和中村晃の2人は出塁率も長打率も3割中盤~後半で安定していたタイプか。通算成績を見ても、出塁率と長打率がほぼ同じである。参考の大島洋平西川遥輝もこのタイプに入れていいかもしれない。

中村悠平に関しては、出塁率も長打率も低いが結果的に出塁率の方が上回っただけに思える。

最後に

出塁率が長打率を上回ったからといって、別に何も凄くない。珍しいだけである。

ただ、大島公一赤星憲広のように、長打力のない打者が.360を超える通算出塁率を記録したことは評価されていいのではないだろうか。

今後も、こういう何の役にも立たない調査をしていきたい。

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