はじめに
2023年の武道館公演も記憶に新しいMEGADETHですが、来年2026年に新作アルバムリリースとフェアウェルツアーを行い、バンドを活動停止させることを発表しました。
MEGADETHについて
MEGADETH(メガデス)は、1983年にギタリスト兼ボーカリストのデイヴ・ムステインが結成したアメリカのスラッシュメタルバンドです。
METALLICA、SLAYER、ANTHRAXと並び「スラッシュメタル四天王(Big Four)」の一角を担い、攻撃的なギターリフ、高速テンポ、政治・戦争・社会問題をテーマにした歌詞が特徴です。
幾度ものメンバー交代を経ながら、40年以上活動を続けており、世界中で数千万枚のアルバムを売り上げています。
MEGADETHの来歴
デイヴ・ムステインがMETALLICAから解雇
MEGADETHの物語は、ギタリストデイヴ・ムステインがMETALLICAから突然解雇されたことから始まります。
1983年、アルコールや薬物によるトラブルが原因で、ムステインはニューヨークでバンドを追放され、そのままバスでロサンゼルスへ送り返されました。
しかし、この出来事が彼の闘志に火をつけ、「METALLICAを超えるバンドを作る」という決意のもと、MEGADETHを結成します。
結成と初期
ムステインはデイヴィッド・エレフソン(ベース)らと共にバンドを立ち上げ、スラッシュメタルを基盤にした高速かつテクニカルなサウンドを確立。
デビュー作『Killing Is My Business… and Business Is Good!』(1985)で注目を集め、続く『Peace Sells… but Who’s Buying?』(1986)では政治・社会問題を鋭く描き、シーンの中で強烈な存在感を放ちました。
黄金期と世界的成功
1990年の『Rust in Peace』は超絶テクニカルなリフと緻密な構成で高評価を獲得。
この時期に加入したマーティー・フリードマンは、流麗かつメロディアスなギターでサウンドを進化させ、ファンの間で絶大な支持を得ました。
1992年の『Countdown to Extinction』は全米2位の大ヒットとなり、MEGADETHはヘヴィメタルを代表するバンドとして不動の地位を確立します。
音楽性の変化と『Risk』
1994年の『Youthanasia』、1997年の『Cryptic Writings』でメロディアス路線を強化し、より幅広い層にアプローチ。
そして1999年、バンドは思い切った方向転換作『Risk』を発表。
エレクトロニカやポップ、ハードロック要素を取り入れたこの作品は賛否両論となり、従来のスラッシュファンからは戸惑いの声も多く上がりました。
この時期を境に、マーティー・フリードマンは2000年に脱退し、バンドの路線は再びメタル寄りへと戻っていきます。
解散と復活
2002年、デイヴ・ムステインが腕の神経を損傷し、一時解散。
2004年に回復し、活動を再開。『United Abominations』(2007)、『Endgame』(2009)などを発表し、再び高評価を得ます。
2016年の『Dystopia』は批評・セールスともに成功し、翌年グラミー賞「Best Metal Performance」を受賞しました。
武道館での歴史的再会
2023年2月27日、日本武道館で行われたMEGADETHの公演に、マーティー・フリードマンが約23年ぶりにゲスト参加。
「Countdown to Extinction」「Tornado of Souls」「Symphony of Destruction」で共演し、日本のファンにとって歴史的な瞬間となりました。
マーティーは日本を拠点に活動しており、この一夜限りの再会は世界中のメタルファンから注目を集めました。
代表曲
Mechanix
デイヴ・ムステインがMETALLICA在籍時に書いた曲で、後にMEGADETHのデビュー作『Killing Is My Business…』に収録。METALLICA版は歌詞を変えて「The Four Horsemen」として発表され、両バンドの歴史を象徴する因縁の1曲です。
Wake Up Dead
1986年の『Peace Sells… but Who’s Buying?』のオープニング曲で、スラッシュらしい怒涛のリフと展開が魅力。歌詞は、浮気がバレて殺されるかもしれない男の恐怖を描いた、短くも緊張感あふれるナンバーです。
Peace Sells
1986年の同名アルバムのタイトル曲で、政治・社会批判を込めたMEGADETHの代表曲のひとつ。イントロのベースリフはMTVニュースのテーマとしても使われ、メタル界を超えて広く知られています。
Holy Wars… The Punishment Due
1990年の『Rust in Peace』冒頭を飾る複雑構成の名曲で、ムステインの作曲力とバンドの演奏力が極限まで発揮された一曲。歌詞は北アイルランド紛争とアメコミ『The Punisher』を題材に、宗教戦争と復讐をテーマにしています。
Hangar 18
『Rust in Peace』収録のテクニカル・スラッシュの代表曲で、8本のギターソロが展開する名演奏。歌詞はアメリカ政府がエイリアンとその宇宙船を秘密裏に保管しているという陰謀論を題材にしています。
Tornado Of Souls
『Rust in Peace』収録で、マーティー・フリードマンの流麗なギターソロが光る名曲。歌詞は裏切りと失恋の怒りをテーマに、激しいリフとスピード感で感情を表現しています。
Symphony of Destruction
1992年の『Countdown to Extinction』収録の代表曲で、重厚なリフと印象的なサビが特徴。歌詞は権力者や独裁者の支配を批判し、政治的メッセージをストレートに伝えています。
A Tout Le Monde
1994年の『Youthanasia』収録のバラードで、メロディアスかつ叙情的な雰囲気が特徴。歌詞は死に際の別れの言葉をテーマにしており、ファンの間で感動的な名曲として知られています。
Trust
1997年の『Cryptic Writings』収録で、キャッチーなリフとポップ寄りの要素が融合したナンバー。歌詞は人間関係や裏切りをテーマにしており、聴きやすさとメッセージ性を両立しています。
She-Wolf
『Cryptic Writings』収録曲で、力強いリフとヘヴィなサウンドが特徴のスラッシュナンバー。歌詞は危険で支配的な女性像を描いており、暗喩を交えた物語性のある内容です。
Washington Is Next!
2007年の『United Abominations』収録のスラッシュナンバーで、攻撃的かつスピーディなギターリフが特徴。歌詞はアメリカ政府や政治家への批判をテーマにしており、社会的・政治的メッセージをストレートに伝えています。
Head Crusher
2009年の『Endgame』収録の激烈スラッシュナンバーで、鋭いリフと重厚なリズムが特徴。歌詞は拷問器具「ヘッドクラッシャー」をモチーフにした残虐な描写で、バンドの攻撃的な一面を象徴しています。
Dystopia
2016年の同名アルバム『Dystopia』収録曲で、テクニカルなリフと複雑な展開が光るスラッシュナンバー。歌詞はディストピア的な世界観と政治的混乱を描き、現代社会への批判をテーマにしています。
We’ll Be Back
2022年の『The Sick, the Dying… and the Dead!』収録で、戦場での復讐と無慈悲な闘志を描いた激烈なナンバー。歌詞は敵に対する容赦ない復讐の決意をテーマに、繰り返されるフレーズで執拗さと緊張感を強調しています。
最後に
バンドの活動終了は残念ではありますが、来年リリースの新作は楽しみです。
フェアウェルツアーは世界規模になるとのことなので、おそらく日本にも来るものと思われます。
絶対観に行くぞ!
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