先日「ロックの殿堂」が2026年の殿堂入りアーティストを発表したが、その中にはフィル・コリンズの名もあった。フィル・コリンズはGENESISのメンバーとしても殿堂入りしており、これが2回目の殿堂入りとなる。
1980年代、ピーター・ガブリエル脱退後のGENESISのポップ路線を進めて成功を収める傍ら、ソロとしてもヒット曲を連発するヒットメーカーとなった。そんな彼のデビューシングルが「In the Air Tonight」(邦題:夜の囁き)である。
この曲は、イントロから閉じた部屋の中のような息苦しい雰囲気が続く。うっすらしたドラムマシンのリズム、湿ったリバーブに包まれたボーカル、そしてほとんど展開しないコード。
ところが、突然(上の動画だと3:15のあたり)フィルインが入り抑圧から解放される。この特徴的なドラムサウンドは「ゲートリバーブ」と呼ばれる手法によって生まれたもので、フィル・コリンズがドラマーとしてピーター・ガブリエルのソロアルバムの収録に参加した際に偶然発見された。残響が途中でバツッと切れる独特の圧迫感があり、スネアの音に大きなインパクトを与えることができる。
この「ゲートリバーブ」は様々なアーティストに採用され、80年代を象徴するサウンドになった。ブルース・スプリングスティーンの「Born in the U.S.A.」なんかが有名だろう。
「In the Air Tonight」はイギリスで最高2位、アメリカで最高19位にチャートインするヒットとなった。その後も、フィル・コリンズは「Against All Odds (Take a Look at Me Now)」「One More Night」などの全米1位シングルをリリース。さらに、プロデューサーとしてエリック・クラプトンのアルバム制作に携わり、俳優としても活動するなど多忙を極めた。1985年のライブエイドに至っては、コンコルドを使ってイギリスとアメリカの両方の会場で出演。まさに、「世界で一番忙しい男」だった。
PR![]() |



コメント