はじめに
ALCESTの来日公演まであと1ヶ月を切りました。
ALCESTのライブは初めてなので非常に楽しみなのですが、セットリストがどんな感じになるのか気になります。
個人的に大好きなこの曲をやってくれると嬉しいのですが。
曲の魅力
ALCESTの「Percées de Lumière」(ペルセ・ド・リュミエール)は、2010年のアルバム『Écailles de Lune』に収録された名曲です。この曲の魅力は、ALCESTが築き上げたシューゲイズ・ブラックメタル、あるいは「ブラックゲイズ」と呼ばれる独自の音楽スタイルが、非常に純度高く表現されている点にあります。
「Percées de Lumière(光の突き抜け)」というタイトルが示す通り、この曲は暗闇の中に突然差し込む光のような存在。その「光」は穏やかなものではなく、魂を焼くようなまばゆい輝きで、聴き手の感情を強く揺さぶります。そして終盤に訪れる短いクリーンパートは、嵐の中でふと訪れる静寂のように、感情の濁流の中に美を垣間見せる瞬間です。
Neigeのスクリームは、典型的なブラックメタルの「邪悪な声」とは一線を画します。彼の叫びは、むしろ痛みを通じて救済を求める祈りであり、リスナーの中にある閉じ込められた感情を呼び覚まし、外へと解放する力を持っています。その声がギターの洪水に包まれ、まるで魂の奥底にある光を引き出すかのようです。
この曲はブラックメタル由来の要素を取り入れていますが、あくまで「美」を追求する形で昇華されています。これにより、暴力的というよりも「内面の爆発」や「霊的目覚め」を音で体現しているのです。
最後に
「Percées de Lumière」は、ALCESTの音楽の核心をもっとも濃密に凝縮した一曲です。
Neigeはこの曲で、ブラックメタルの手法を使いながら、憂鬱や痛みの先にある「光の一閃(いっせん)」を提示しています。
「Percées de Lumière」は、聴く者を優しくも激しく照らし出す、霊的な覚醒の歌なのです。
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